災害発生時における住家被害認定調査、及び平時における担当職員向け研修会開催等で、不動産鑑定士による支援が必要な場合は、本協会事務局までお問い合わせください。
近年、全国各地で、地震・水害・土砂崩れ等の自然災害が多発しています。
災害対策基本法では、市町村長は、被災者から申請があったときは、遅滞なく、被害の状況を調査し、罹災証明書を交付しなければならない旨が定められており、各自治体でも、これまで実際に住家被害認定調査を経験された職員の方がいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、災害対応は、日常的な業務とは言い難いこともあり、特に小規模な自治体では、災害が発生した時に、十分なノウハウを有した職員を確保できず、的確な対応をとることが難しい場合もあるのではないかと思います。
我々不動産鑑定士は、平成28年に発生した熊本地震以降、災害発生時における住家被害認定調査・罹災証明発行業務への協力・支援を、重要な社会貢献事業の一つと位置づけ、その専門性を活かすべく、業界団体をあげて、取り組みを強化して参りました。以下に示した大規模災害の発生時に、現地入りし、各種の支援事業を行うことで、現在では、激甚災害がおきる度に、国土交通省から、(公社)日本不動産鑑定士協会連合会に、協力要請が通知されるようにもなり、不動産鑑定士による支援事業は、全国的にも定着しつつあります。
(★は宮城県の不動産鑑定士の活動)
本協会は、以下のようなケースで、各自治体の調査業務・罹災証明発行業務を支援することができます。何か相談したいことがありましたら、本協会事務局までお問い合わせ下さい。
内閣府の『実施体制の手引き』によれば、発災後、一週間を目途に、調査方針の決定、実施体制の構築、調査員の研修を行い、その後順次調査を開始するとされています。この初動段階で要請があれば、マネジメントや職員研修の分野で、協力・支援を行います。特に、調査開始前の研修に関しては、座学で調査の要点を伝えるだけでなく、被災した家屋を用いて直前実地演習を行い、調査担当者の判断基準を均質化することが非常に大切です。本協会にお声掛け頂ければ、各自治体における従来の調査方法を踏まえつつ、経験を積んだ不動産鑑定士が講師役を務め、レクチャーを行います。
また、調査開始以降に関しては、各自治体の要請に基づき、調査支援を担当する会員を派遣しますが、本協会の会員数を考慮した場合に、調査業務代行の委託先又はマンパワーの供給源としては、御期待に添いかねることもあります。調査班における教育係、アドバイザー等の立場で、専門性を活かすことが、不動産鑑定士による協力・支援の特徴となります。
なお、難易度の高い事案、例えば、件数の少ない非木造の被災住家、一次調査が主となる中で二次調査を必要とする被災住家、複数の災害(水害・風害・地盤液状化等)による被災住家に対しても、不動産鑑定士はピンポイントで対応することが可能です。これまでも、本協会の担当委員会で、専門のチームを組成し、自治体からの要請に応えたこともありました。
本協会が、被災自治体に対して会員を派遣する場合、支援要請を行う自治体との間で、協定を結ぶ必要があります。これまで、緊急時には、事後的に協定を締結することもありましたが、複数の被災自治体から要請があった際には、本協会における支援能力の限界から、事前に協定を締結していた自治体を優先し、対応させて頂くことになります。事前協定の締結に関心がある自治体職員の方も、本協会にご連絡下さい。
有事に備え、平時においても、内閣府による『運用指針』『損傷程度の例示』等に対する職員の理解を深め、習熟度や能力の標準化を図るため、定期的に住家被害認定調査に係る研修会を開催する必要があります。本協会では、①自らが主催、②宮城県総務部税務課からの要請に応じての講師派遣、③個別の市町村の要請に応じての講師派遣という各形式で、研修事業を進めています。
座学においては、基礎研修、応用研修のほか、実施体制編、地震編、水害編等の分野別で、講師を務めることが可能です。また、演習に関しても、机上演習(図面上での演習、建物模型を用いての演習)や、実際の建物(空家、集会場等)を用いての実地演習を行うことができます。
なお、コロナ禍以降、オンライン研修の普及が進んだことを踏まえ、(公社)日本不動産鑑定士協会連合会でも、年に複数回、参加費無償のオンライン研修会を開催しています。初心者向けの研修として有用であり、加えて、内閣府による指針等の改編にも随時対応しておりますので、ぜひご活用下さい。オンライン研修会に関しては、開催の都度、本協会から各市町村税務課に開催通知をお送りしています。
大和町浅野町長と本協会小竹会長
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